長編

□3人、3人だけ
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注意:オリキャラが出ます。・・・来良の先生です。




教室が何かおかしい。



その日は朝からおかしかったのだ。

最近結婚したばかりで、円満な関係の筈の妻が・・・台所に時折発生する黒い虫を見つけた時のような目で私の事を見ていた。

朝っぱらから、心に一生治らない傷を負った。






教室の生徒の全員がおかしいわけではない。
主に3人。3人がおかしいのだ。




まず、別のクラスの筈の紀田 正臣。
(いつもは乱れ気味な制服は今日はバッチリ決めている。)

このクラスに来ているのは、まぁ日常茶飯事である。




・・・のだが、なぜに椅子に座っている。

教室が別のクラスであれば、彼の椅子は無いはずである。なのに何故?




・・・・・・・・・いた。




一番後ろ机の、そのまた後ろにいた。
正座していて気付かなかったが、紀田に何があったのか机を取られた(?)田中が・・・真っ青な顔で地面に座っている。




二人の間に何があったんだーーー!!





二人目は、竜ヶ峰 帝人。

窓側も席だからとはいえ、くつろぎすぎてないか!?(=寝てる)
しかも、いつもはきちんと制服を着ているはずなのに、今日はバリバリ私服である。




理由を聞いたら、
「血でちょっと汚してしまって・・・」

何があったんだぁああ!!
大人しめな見た目をしてるはずなのに、何やったんだ!!
先生、逆に怖いぞ!




その質問をした後、他の生徒の(それには触れないでくれ!!)という、若干血走った目で見られたのが一番怖かったが。






三人目は、園原 杏里。


彼女も普段は、制服をきちんと着ている子なのだが・・・私服である。


きわどいというかなんというか・・・よくその服で校門で止められなかったな、となるような服である。




そんな彼女は今、目を伏せ気味に肩を震わしている。

笑っているようにも、泣いているようにも見えた。
最初は授業に集中しようと思っていたのだが、気になりすぎて本人に聞いてみることにした。



帰ってきたのは、一言

「・・・フランダースの犬。」


その一言でだいたい状況はつかめた。
彼女は授業中にフランダースの犬を読んでいて、それで泣いてしまったということだろう。
たしかにあの話は感動するよなぁ・・・って、えええ!!



エロ本とか・・・漫画本ならまだ(気持ちは)わかる。


だが・・・フランダースの犬を読んでるヤツは今まで見たことないぞ!!





・・・おかしい。やっぱりおかしい。


何があったんだろうか?
明日になればもどるのだろうか?

悩み事は尽きない。








先生の日記より抜粋。

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