東京喰種

□HappyHalloween
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オレンジ色の蛍光が光りだし、顔を掘られたパンプキンや、様々な仮装をした人々が街を練り歩く様を金木は窓の内から見ていた。
――楽しそうだな。ふと、金木はそんな事を考える。
大学に通っていた時はイベント好きな友人、ヒデに引っ張られて半ば無理矢理参加させられた時には感じなかった感情だ。
あの時から変わったことと言えば、喰種に近くなってしまったことと…―――

「…亜門さん」
―――彼に出会った事だ。

「ん、何だ?」
喰種の捜査資料に目を通していた亜門が顔を上げる。

「ハロウィンですね」
「そうだな、…もう、そんな時期か」
壁に掛けられたカレンダーで日付を見た亜門は、今初めてハロウィン当日だと言うことに気が付いたらしい。
金木はそんな亜門を見て苦笑した。

「折角ですし一緒に何処か出掛けませんか?」
喰種捜査官である亜門は中々休みの取れず、多忙なのだ。
偶には一緒に出掛けたい、と金木は思っていた。
甘えている自覚は、ある。

「…大丈夫か?その…臭いとか」心配そうに亜門が金木を見る。
喰種の体質を持つ金木にとっては、確かにハロウィンの甘い臭いは辛くないとは言えない。

「亜門さんと一緒に出掛ける事と天秤に掛けるまでもないですよ」けれど、比べるまでもない。

「そ、そうか…」
亜門が僅かに目を見開いた。

「それにハロウィン何ですし、仮装も楽しみたいです」
亜門さんは何が似合いますかね、何て考えるだけで楽しくて仕方がない。
「楽しそうだな」
そう亜門に指摘されても、否定出来ない。
それに、する必要もなかった。
事実だからだ。

「勿論、楽しいですよ。亜門さんがいますから」
ハロウィンも、クリスマスも正月も…何でもない日も、全部、全部大切で輝いて見える。
(色々大変な目に合ったが、今金木は幸せだった。)

「…俺も楽しいから、一緒だな」そう言って亜門は頬を綻ばせた。

ああ、もう!

――天然なんですか!という言葉は喉の奥に無理矢理押し込んで、金木は頷いた。


(それこそ幸せ過ぎるくらい。)





***

亜カネに幸あれ!

HappyHalloween!!







*二人はまだ付き合ってません

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