黒子のバスケ 小説

□よくある話
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次々と火が灯っては消えていく記憶のフィルムに黒子はそっと手を伸ばした。
瞼を閉じれば何時だって思い出せる大切な記憶の数々。それらの最後の写真を今、撮り終えようとしていた。
小さな小雀が病院の窓際に降り立ち、朝日が優しく室内を照らした。
もはや寝返りをうつことすら出来なくなった黒子の隣には保育園の園児達の写真や、中学高校、大学などの友達からの手紙があった。
黒子はそんな光景を丁寧に丁寧に、か細い感嘆の息を吐くように、目に焼き付けると小さく笑った。
そのまま、誰にも気付かれずに息を引き取った。



黒子テツヤ、享年四十七歳。彼の死因は、癌だった。









足元がふわふわ浮くような感覚の中、黒子はいた。意識も朦朧とし、ついでとばかりに吐き気もした。
周りから何か声のようなものが聞こえる気がするが、生憎それに答えることは出来なかった。主に体力的な問題で。

黒子は床に寝そべっていた。倒れこんでいるとも言う。

息が整ってきて漸くぼやけていた視界がハッキリとする。
そこは帝光中学校のグラウンドであった。
まるで…、夢を見ているようだ。いや実際に夢なのかもしれない。
頭上から声がした。上を向くと若き頃の青峰の姿が。(何て良い笑顔なんでしょう)
今が何年なのかはわからないが青峰が擦れる前なのは間違いない。目付きが(それほど)悪くない青峰、いやピュア峰を見たのは一体何年前だろうか…。

思わず黒子の涙腺が緩んだ。


















(書きたいところだけ書いてエンドです(爆))

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