約100文字の小話です。
小話は題名の花の花言葉に沿って書かれています。







【金木犀】

今、元気なのだろうか
風邪をひいてないといい。好き嫌いはするな
一体、誰と共にいるのだろうか
伝えたいことは沢山ある。聞きたいことも溢れるほどある

テツヤ、またいつか会えた時に、この思いを君に伝えようと思う

(赤→黒)




【ヒナゲシ】


公園に咲く、夕日の色をしたヒナゲシがまるで彼のように見えたのです
赤くないというのに
風に揺られてそよぐヒナゲシが愛おしく思えて仕方がないのです
気高き精神を持つ貴方へ、今伝えたい
この思いが己に殺される前に


(赤←黒)




【白バラの小輪】


貴方が好きです。ですが、ボクは恋をするには早すぎたようで。

一夜だけの、この思いを…今だけはどうか、抱き締めていてもいいですか
明日には何も無かったかのようにしますから

今だけは、この熱情を抱いていたいのです


(赤←黒)



【ローズマリー】


花屋に青色の花を咲かせるローズマリー
…花言葉は「思い出」
黒子はその花言葉と共に思い起こされた、光であり相棒でもあった彼を思い出として片づけたくは無かった
それだけ大きな存在だった、いや今もそう思っているのだから


(青←黒)





【タンポポ】
・飾り気のなさ 真心の愛



黒子が道端で突然しゃがみこんだ。
思わずぶつかりそうになるが慌てて止まる。黒子の足元には見慣れた花が一輪咲いていた。
黄色い合弁花。タンポポだ。
その花を見た黒子がぽつりと、黄瀬君と呟いた。それが何だか面白くなくて思わず眉に皺が寄った。


(緑→黒)




【ライラック】
・初恋


彼が手にしていた花を見ていたボクを彼がくすりと笑った。
そして彼はその花をボクの髪に器用に括りつける。似合う、とそう彼は言ったけれど。
男であるボクにとってその言葉は少々複雑なものであった。
あの時、彼がつけた花の意味を今漸く知った。


(赤→←黒)


【桜】


中学校では二度目に見る桜は今年も見事に満開だった。
黒子はそんな桜を見ると隣にいる青峰に向かって、
来年も一緒に見れますよね
と疑問符すらない問いかけをした。
それほどまでに信じていたのだ。当たり前のように来年がきて、隣に青峰がいることを。


(青+黒)



【ヘリオトロープ】

・献身的な愛


これさ、食べれる?そう言い差し出されたのは花だった。まごうごとなき花だった。
匂いは…甘い香り。成る程、この匂いなら食べれるかもしれないと考えるのも少しわかった。
だが、やはりそこは花だ。中には毒のある花もあるというし…考えた末、黒子は首を横に振った。
紫原は残念そうな顔をすると花をポケットに入れた。

…捨ててしまうのだろうか、黒子は無造作に押し込められた花を見て、そう思った。


(紫←黒)


 






 




 

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