LivE(本)

□第零 始まり
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午前 11:00


普通なら、私は他の奴らと同じように授業を受けている時間帯だ。



でも



今日は違う。


今日は私にとっても、奴らにとっても、特別な日になるのだから。




誰もいない屋上。そのフェンス越しの小さな足場に、私は今立っている。


……一歩前に進めばそこはもう死への道のり。




「ふふふ…よかったなぁ…ようやく私が消えるんだよ…?

お前らの大嫌いな私がさ…」



だれにも聞こえないような声で、独り言のように呟く…



まぁ、今ここには私以外誰一人としていないのだから、どのみち聞かれることのない言葉なのだけれど…。









はぁ







もう……疲れたんだ…。何もかも…



『親友だからね!』………嘘。


『愛してる、お前しかいないんだ』………嘘。


『ずっと一緒だよ!』………嘘。



嘘…嘘、みんなうそ。


自分の都合のいいときに私を使って……


都合が悪くなれば私を捨てる…。



何が友達だ

何が両親だ

何が恋人だ



結局みんな……みんな私を裏切ったじゃないか



最後まで信じ続けていた…私がバカだったんだ




強い風が、私の身を前に押そうとする



……とうとう風にまで嫌われたか。










「ふふ…ふふふ…はははは!!もうこんな世界とはさよならだ!!

もう…もう…………!私は!!



……苦しまなくてっ…いいんだ………。」







震える声で放った最後の言葉は、風にかき消され、それと同時に私は両手を広げ空へ身を投げ出した。







真上から見た街の景色は建物と緑と…町行く人々がとてもよくマッチしていてあまりにも綺麗で…


あの残酷な日々をまるで嘘だとでも言うかのように生き生きとしていた


その姿に私は、一瞬だけ、胸が苦しくなってしまったんだ……。














さようなら、腐った世界



さようなら、仮面を被った人間共








さようなら




そんな世界と人間に騙され続けた







愚かな私――。
















身を投げ出した瞬間



頬を伝った冷たい何かは








きっと、雨だろう。
















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