君のとなりは…
□ひねくれ者
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朝。7時15分。
「梨斗、起きなさい、梨斗。」
私は何時ものようになかなか起きてこない梨斗を起こしに彼女の部屋へ来ていた。
「ふぁ…?…あと…五時間…」
「…………」
「zzzz…」
「ねぇ、梨斗…
あと2秒で起きないと、あんたの頭から大量のトマトジュースが流れてくることにn「おはようございまーす!!」…よろしい」
これでよし…と。
「早く朝ごはん食べちゃいなさいよ」
「…は…い…。」
これでもかというくらい目をガン開きにして怯えている梨斗を横目に、私は姫花がいるリビングへと足を進めた。
「おー。咲〜梨斗起きたー??」
「ええ、起きたわよ。
まったく…なんで私が毎朝毎朝起
こしにいかなきゃならないのよ…」
「えっ!?嫌なの!?
じゃあじゃあ、咲が嫌なら今度からうちが起こしにいっていい!!??」
「…………いや、いいわ、これからも私が行くから。」
「えー…!なんでぇー」
姫花に任せるとあの子が危ないわ…いろんな意味で…
「ほら、姫花はさ、毎朝私達のために朝ごはんを作ってくれてるじゃない?だからこれ以上苦労をかけたくないのよ。」
「咲…
ごめん。うれしいよ?うれしいけど、どうしてもさっきの話をはぐらかされたとしか思えないうちがいるんだけど」
「あら…残念ね、せっかく私が日頃の感謝の思いを伝えているのに。」
「うん、目がね…笑ってないよ。とてもじゃないけど人に感謝するときの目じゃないよ、それ。」
この子ゴチャゴチャ五月蝿いわねぇ。
「…あ、いまうちのこと五月蝿いって思ったでしょ!?」
「あら、なんでわかったのかしら?」
「………コノヤロー!!」
「さて、ご飯ご飯。」
「……(泣)」
「この心無し女ぁぁ!!」と私に向かって叫んでいるあほ毛女を軽くスルーして私は朝食をとることにした。
もちろん。白米だけを口にする。
となりに不気味なダークマター(形からして目玉焼きなんだろうけど)があるがこの際無視だ。
「おはようございます…」
「あっ♪梨斗おはよっ!」
今だにねむそうな梨斗が目を擦りながら私の隣に座る。
モグモグモグモグ
ムシャムシャムシャムシャ
モグモグモグモグ
パリッポリポリポリ
………
ドッ!!
「!!!!あぅっ!?」
私は無意識のうちに、隣でパリパリ、と白米を食べるときには絶対にでないであろう効果音をだしながら食べ物を頬張っている梨斗の頭を殴っていた。
「うぅ…痛いじゃないですかぁ!咲!!」
「あんたねぇ…何朝っぱらからスナック菓子食べてんのよ。今すぐ捨てなさい。」
私がそう命令すると梨斗は
「ぇ…?や、いやですっ」
とスナック菓子(ポテチ)を抱き締めて涙目になりながら私をにらんだ。
「お、珍しく梨斗が反抗した。」
「う、うるさいです姫花!あたしだって…反抗ぐらいはします。」
梨斗が姫花に向かって口をとがらせた。
するとなんと…
「!!…あぁ…梨斗が遂に反抗期に…。うぅ…そうやって君はうちの元を離れていってしまうんだね…」
姫花は泣き出してしまった。
もちろん嘘泣きだ←
「ぁ…姫花…あたし…そんなつもりじゃ…」
「とにかく梨斗。そのポテチ早く捨てなさいってば」
「だから…いやです!
だいたい…咲には、あたしが何食べようと…関係ないじゃないですかっ」
「はぁ…
関係大有りよ。」
「……えっ?」
「はぇ?なんで?」
二人の視線が私に刺さる
「私今ダイエット中なのよ。
だからあんたが美味しそうにポテチ食べてる姿見るとムカつくの。」
「「………」」
「さ、早く食べて学校行くわよ」
このとき、姫花と梨斗は
((なんて自分勝手な人なんだ…))
彼女の性格を改めて思い知らされたのだった。
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