君のとなりは…
□恋試練
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梨斗が他校の不良達、もとい甘党系男子と熱い戦闘(?)を繰り広げていた頃―。
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「さあ!気合い入れていくわよー!」
「はーい…」
「ほーい」
「さーい!」
珍しくにテンションの高い咲を先頭にうち、沖田、神楽が返事をして歩きだす
「って、なんであんた達がついてきてんの!?」
「いけねぇですかィ?ついてきちゃ」
「タダでケーキ食えるなんてこんないい機会なかなかないネ!!」
「えっ!?言っておくけどうち奢らないからね!?」
勝手についてきた人達の分を払えるほどうちは太っ腹ではない
たしかに家は裕福な方だが、うちはケチなのだ!!
「は?そこは奢るべきよ、姫花のくせに何調子にのってんの?」
「そーだそーだ」
「姫花のくせにー」
「あれ、うちの人権は!?」
「「「…………え?」」」
無かったようだ…
「ところでどうしたんですかィ?急にケーキ屋行くなんて…この前バイキング食べに行ったばかりですぜィ?」
「女にはいろいろあんのよ、沖田」
総悟の肩にポンと手を置き、遠くを見つめるように呟く咲。
咲、うちが銀ちゃんのこと好きなこと、誰かに言ったりしないよね…?
大丈夫だよ、あの子は人が本当に嫌がることはしないはずだから
大丈夫、しない、はず
………
………あとで咲が余計な事話さないように説得しておこう←
そうこうあれこれうちが考えていると、どうやら着いたようだ。
沖田が眠そうにその店の前であくびをしていて
咲は何を食べようかとウキウキしていて
神楽は……
神楽は異常に冷や汗をかいていた。
「こ…ここが…最近人気のケーキ屋アルか?」
「えぇ、なんでも小籠包ケーキが人気みたい」
「どんなケーキだよ!!地味に気になるわ!!Σ」
「か、帰るアル!今すぐ帰るネ!!」
「どうしたチャイナ、取り乱してよぉ」
「う、うるさいネ!き、き今日女の子の日アルよ!だから早く帰ろうヨ!!」
「神楽?本当どうしたの?」
先ほどまでの楽しそうな表情とは一変
とても恐ろしい顔でうち達を帰そうと説得する。
「じゃあテメェだけ帰ればいいじゃねぇかよィ、じゃぁな」
「だめネ!ダメダメ!!」
一人先に店の中に入ろうとする沖田の服を思いっきり引っ張って静止の声をあげる神楽。
なぜそこまでしてうちらをこの店に入らせたくないのだろうか…
「さ、さみしいネ、一人で帰るのは嫌アル!!だから皆で帰ろっ?」
嫌がる理由は分からないけどね、神楽
「………」
「………」
この二人はね
「さぁ、行くわよ神楽」
「たっぷりケーキを堪能してやりまさァ、諦めろチャイナ」
「嫌アル!嫌!いやぁぁぁぁああああ!!」
人の不幸を愛するドS野郎なんだよ…
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