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□06:阻止する男
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「おーそーいー。けっこう急ぎって言ったじゃん」
クラブハウスの元用具室で文句を垂れる達海さん。
「人の食事を邪魔しておいて、何てこと言うんですかっ」
コンビニの袋を思わず投げつけた。
「いてっ!!」
「達海さんっ!」
「うぉっ!」
勢いに任せて抱きついた。
自分でも理解できないくらい大胆な行動。
「珍しく積極的で嬉しいけど、どーしてそうなる?」
「気をつけて下さいね」
「はぁ?誰が?何に?気をつけるのはアキヲだろ」
「結婚指輪なんかしてても何のガードにもならないんですっ」
「何かされた?」
「違う、何かされそうだから言ってるんです。危ないです、達海さん!!」
「え、何で俺!?」
絶対達海さんは分っていない。
あの男は本当に油断ならないんだから。