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□06：阻止する男
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「アキヲ、今夜ディナーでもどうだい？」
「へっ？」
達海さんと私が話しているところへ割り入って、この男は臆することなく堂々と私を誘う。
他意があるのかどうかも、その謎めいた表情からは読み取ることができない。
おそらく十中八九あるのだろうけど。
「素敵なお店を見つけたんだ。ぜひアキヲを連れて行ってあげたくてね」
「おー、いいじゃん行ってこいよー」
「はぁ！？」
断ろうと思った矢先、達海さんからの、まさかの一声。
何考えてるの？
この男。
何故か達海さんが周囲に公表してくれない。
後藤さんによると「達海が結婚したことを選手たちは知っているが、相手は知らないとの事」。
だから私も結婚している事実を何故か隠したままにしている。
だけど、目の前で自分の妻が余所の男に誘われていると言うのに、あっさりと許可してしまうところが、私に無関心なのかと思ってしまう。
それに相手はあのジーノ。
「ほらタッツミーもこう言っていることだし」
「え、はっ？」
「たらふく美味いモン奢ってもらえよー」
なんて呑気に手振りながら笑ってるの？達海さん？