庭球短編小説

□【日記】
1ページ/2ページ

6月 16日 (月曜日)
少しだけ面倒だった朝練・・・適当にすませてどうでもいい授業を受けた。日記帳が切れていたのを思い出して、放課後部活の後に買いに行った・・・だから今日から新しい日記帳。
一人で買いに行くつもりだったのに、英二に見つかっちゃって、結局一緒に買いに行っちゃった。
僕はこの色が気に入ったから、コレをかったけど、英二は同じ形のオレンジ色のノートを買っていたっけ『今日から俺も日記つける』 なんていっていたけど、英二のことだからきっと3日坊主だよね。
英二は何でも真似したがる。
何時も僕と同じが良いって言うんだ…。
僕だけじゃなくて、皆に言っているんだけど、ね。
そんな所、凄く好きだけど そんな所…たまに壊してしまいたくなる。…きっと、そんなことはしないと思うけど、ね。

6月 17日 (火曜日)
今日は雨が降っていた。僕が置き傘しているのを知ってる英二・・・予想道理一緒に帰ろうって言って来た。大石が手塚と残る話ししてなければきっと僕のところにはこなかったんだろうな。
そんな風に思っている自分が何だか嫌だったけど…英二と帰れるのは嬉しいから少し小さめの傘に2人で入って帰ってきた。
湿気があると髪が決まらない…拗ねた顔で言う英二。何でだろう、少し目が離せなかったんだよね。
雨で部活が無くなったから、そのまま英二が家に遊びに来た。英二が家に来るのは久し振り…最近余り来ていなかったのは…どうしてだったかな。
何気ない話しをして、ゲームして、時間だからって帰っていった。
英二が帰った後、部屋に帰ってきたら…なんだか少し淋しかったかも。
明日も部活が休みだったらいいのにな。そしたら、また英二が遊びに来てくれるかもしれないじゃない。
まぁ、世の中そんなに上手くはいかないって解ってるけど。

6月 18日 (水曜日)
今日は朝から雨だった。だから朝練もなし。
朝の教室はする事なんて全然なくて…話ししたいクラスメイトもいないし、楽しくない話しをするくらいなら一人の方が楽だから1時間目の予習なんてしてた。
遅刻ギリギリで英二が教室に入ってきて、席に行く前に僕の目の前で両手合わせて“お願いポーズ”で『宿題見せて』だって…。
あんまり可愛いから、ついいいよって言っちゃったよ。
駄目だな…次何かお願いされたら、僕のお願いも聞いてもらおうかな…。
英二になにかお願いするとしたら、何をお願いしよう。なんてそんなこと言えるわけもないけど、つい考えたくなっちゃうよね。
授業が終わっても雨やまなかったから、今日も英二と帰ろうかなって思ったのに…HRが終わるなり、英二は教室飛び出して行っっちゃった。 きっと大石と帰る約束してたんだろうな。
…別にいいけどね。こんなの何時もの事だし…僕の入る余地無しって前から解っている事だし。

6月 19日 (木曜日)
今日の昼休み、何時も道理に英二とお弁当食べてたら突然英二が聞いてきた。不二の好きな人って誰?…だって。
僕の好きな人?…そんなの別にいないから 『いないよ』 って答えたのに、英二ってば納得いかない顔してた。好きな人って、異性って意味だよね。・・・まぁ、それが当たり前だとは思うけど。女の子って興味ない…って言うより少し苦手なのかもしれないな。
告白されても嬉しくない…何時もどうやって断ろうか考えてる。それが結構面倒だったり…。
英二は好きな女の子とかいるんだろうか…。
ちょっと気になったから聞いてみたけど、少し顔を赤くしていないって言っていた。
あれって本心かな。
…そんなことどうでもいいか。英二に好きな人が出来たら、多分言われなくても解るって思うしね。
英二の好きな物は見てれば誰だって解るよ。直ぐに顔に出るんだもの。今英二が一番好きなのは大石なんだろうな…あれっ、これってどうなんだろう?英二の“好き”は恋なのかな…。 僕の英二を好きっていうのも…なんなんだろう……。
これが恋だとは思わないけど、たまに凄く触れてみたくなったりするんだよね。“好き”…のなかみは、友情か恋しかないのかな…。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ