キリリク庭球小説

□【真夜中の訪問者】★R18
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ほんのちょっとの事だった筈なのに・・・

少し拒絶しただけだったのに・・・

どうして気まずくなっちゃったんだろう・・・

俺が悪かった・・・         そうなのかな・・・



    真夜中の訪問者
静寂の広がる暗闇の中、リョーマは自室のベットの上で
未だ訪れぬ眠気を待ちながらゴロリと無造作に寝返りをうった。

「眠れない・・・」

言いながら黒い瞳で瞬きをする。

・・・リョーマには眠れない訳があった。  それは今日の部活終了後の出来事・・・

皆が居なくなった部室に不二と2人

この2人、付き合い始めて1ヶ月・・・っというところ。

不二は暇さえあれば、リョーマにちょっかいを出していた。
場所は選ばず、どこででも。

自分の手が触れた時のリョーマの反応が好きなのか
単にスキンシップが好きなのか
それは定かではないが・・・不二はリョーマに触れてくる。

無論2人っきりの時だけだが・・・

今日もそんな感じだった・・・  何時ものスキンシップの延長の様なもの・・・

そう・・・  途中までは・・・

それが急に何時もと違うモノへと変貌した。

不二のしなやかな指先は、リョーマのワイシャツに滑り込み
愛撫する様に撫でまわす

首筋に軽く口付け、リョーマに甘い声を求めた。

この2人、身体の関係が無い訳ではない。

リョーマの身体は、愛される事を知っていた。
              その心地よさも・・・ 与えられる快感も・・・

解っているが故・・・不二の行為を拒んでしまった。
                知っているから・・・ 怖くなった・・・

何時誰が入ってくるか解らないこんな場所で  乱れる事など恥ずかしい・・・

だから拒んだ・・・  不二を突き飛ばして・・・

逃げ帰ってきては  電話も出来ない
拒んだくせに  拒まれるのが怖かった

今まで部屋意外でそんな事をしたことは無かったし、どうしていいか解らなかったのも、また史実

しかし、今リョーマの心に残るのは・・・罪悪感と後悔の念だけ・・・

中途半端に刺激された身体は熱り、眠りを妨げる。
リョーマは再び寝返りをうった。

暗闇に浮かび上がる室内に視線を漂わせながら “眠れない・・・” っと呟いた。

今日は土曜日・・・。
明日の日曜は部活がないから不二に会うことは出来ない。

リョーマはそんな事を考えながら、枕を抱え込み、うつ伏せになって顔を埋めた。

っとその時・・・ “カツンッ”

窓のガラスに、何かが当たる音がした。
リョーマは静かに顔を上げ、窓の方を見る。
(・・・気のせい?)

っと思いながら、瞬きをしたその時、再び “カツンッ・カツンッ” っと聞こえてきた。

リョーマは少々躊躇ってみたものの気になり、恐る恐る体を起こしてベットから降りた。

音をたてないようにそっと床を踏みしめ、窓に近づく。
ゴクリと息を呑んで、静かにカーテンを開けた。

「ぇ・・・・ 不二先輩・・・・・ 」

ガラス越しに不二は微笑を浮かべリョーマを見ていた。
その口元が僅かに動く。

「こんばんは・・・」

当たり前の様にそう言って微笑む不二を見て、リョーマは苦笑を洩らした。
(ここ二階だよ・・・どうやって来たんだよ・・・)

それでもその顔には、隠し切れない喜びの色が滲んでいる。
不二に会えて嬉しいと・・・  リョーマの瞳が物語る。

リョーマは急いで窓を開けた。

カラカラッと乾いた音をたて、窓を開けると
涼しい風がリョーマの頬を擽った。

心地よさ気に瞳を細め不二を見る。

「どうしたんッスカ・・・?・・・・・こんな夜中に・・・。」

素直に嬉しいと言えなくて、当たり前の質問で会話の糸口を探す。
今日の気まずい別れ際など、もう忘れた・・・っとでも言うように。

そんなリョーマの言葉に不二は微笑む。

「会いたくなったから、来てみたんだ。」

その言葉に、今日のことを気にしている素振は微塵も無い。
リョーマはフッと小さく笑った。
          (そおいう人だよね・・・先輩は・・・・・)

そう思いながら、不二が部屋に入ってこられるように、窓の前からどいて相手が降りられるだけのスペースを開ける。

その様子に不二も笑った。“お邪魔するね。” ・・・そう言って。

窓とカーテンを閉め2人はベットに腰を下ろす。
時計を見ると、午前1時をまわっていた。

「結構無茶な事するんッスネ・・・」
「会いたかったからね。」
「俺に・・・?」
「そう、君に・・・」

言いながら不二は、リョーマの瞳を覗き込む様に見つめ、そのまま顔を近づけた。

「ねぇ、このままキスしてもいいかな・・・」

(何時もは聞かないくせに、こんな時に聞かなくたって・・・)

リョーマはそう思いながら軽く頷き瞳を閉じる。
不二の息遣いを感じながら、そっと触れた相手の唇に・・・暖かさを感じた。

重なる唇に濡れた感触を感じ、リョーマは一瞬瞼に力を入れた。

不二の舌がリョーマの唇を辿り、口内に優しく押し入ってくる。
オズオズと口を開き、不二の舌を受け入れた。
受け止めながら、動かされるままにソレに自分の舌を絡める。

粘膜を舌で擽られ、喉元から甘い声が洩れでた。

「んっ・・・ぁ・・・」

開かれた口では、小さな声でも洩れてしまう。
不二は唇を離し、リョーマの耳元で囁いた。

「昼間の続きをしに来たっていったら・・・君は怒るかな・・・・」

明らかに怒られるとは思っていないその言葉に、リョーマは心の中でほくそ笑んだ。
(怒れないこと知ってるくせに・・・)

思いながらも嬉しく感じている自分に気がつく
(まだまだだね・・・)

“怒らないよ” っと言ってしまうのは、それでもちょっとしゃくにさわって
答える代わりにベットに寝そべって、不二に両手を差し延べた。

「・・・親下で寝てるから、静かに・・・ね・・・。」

“了解” っと小さく呟き、不二はリョーマに覆いかぶさる様に圧し掛かった。
体重を掛けすぎないように肩肘を突き、空いている方の手でリョーマの頬を撫でる。

その心地よさに、リョーマは瞳を閉じた。
閉じられた瞼に不二が口付ける。

愛の言葉の代わりに、啄む様な軽いキスをあちらこちらに落していく。
心の中で、愛を囁きながら。

不二の唇の触れたところが俄かに熱をもつ。
リョーマは自分の身体が熱を帯び、甘い快感が背筋を抜けるのを感じていた。

落ち着こうと小さく深呼吸しようと開かれた口に、すかさず不二の舌が滑り込む。
「フッ・・・ぁ・・・・」

驚きと粘膜を刺激される心地よさに思わず声が洩れた。
それに気を良くした不二はリョーマの頬を撫でていた手を、身体の表面を滑らせながら下へと移動させる。
そしてパジャマの布越しに、リョーマの熱を帯び始めた部分にそっと触れた。

「んぁ・・・!」

控えめに洩れた艶やかな声が、不二の鼓膜を刺激する。
その手を滑らせるように動かし、象る様に触っていく。
その手に纏わりつく布を、邪魔だといわんばかりに引きずり下ろした。

「凄い・・・気持ち良さそうだね。」

リョーマの耳元で、小さく甘くそう囁く。
リョーマは瞳をキツク閉じ、その言葉を聞き流した。

「答えないのかい・・・?・・・・それも、いいけどね。」

“それなら身体に聞くよ・・・” っと言わんばかりに、不二は自分の指を唾液で湿らせ
リョーマの自身を握り込んだ。

「ふぁ・・・っ・・・・!」

思いのほか大きく洩れた自分の声に、リョーマは慌てて自分の口を押さえた。
ヌルリと自身に指を絡められ、ジンジンと疼くような快感が身体を支配し始める。
ユルリと引き上げられると、自身の先端から先走りの蜜がトロッと溢れた。
不二は、その溢れ出た蜜も指に絡め、リョーマの自身を愛撫する。
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