キリリク庭球小説

□【愛していると囁く時】★R18
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            英二の笑顔が好き


            英二の声が好き


            英二の香りが好き


            君を司る全てが好き・・・


            だから何時までも僕の傍に・・・




            愛していると囁く時





           今は楽しいお弁当の時間。
           そう、昼休み・・・。


           初夏の風も気持ちよく吹き、絶好のお弁当日和。


           風は穏やかに吹いているし
           英二が “これ不二の分ね・・・” そういって持ってきてくれた
           弁当はこの上なく美味しい。


           (英二と同じ物食べてる・・・ってだけでこんなにゲンキンに喜んでる僕)


           なんだかそれも可笑しくて、不二は終始笑顔を絶やさない。

           隣で美味しそうにエビフライをほおばっている菊丸に視線向け
           幸せそうに笑みを浮かべる不二
               (可愛いな・・・)


           ひょこっと口からはみ出した海老の尻尾がムグムグと動いている。
           お弁当には海老が2尾づつ・・・エビフライ大好きな菊丸の弁当箱には
           もうその姿は無い。


           ゴクンっと飲み込んだ菊丸の瞳が不二の弁当箱に注がれた。


           「不〜二ィ〜・・・」


           あからさまに甘えたような声で呼ばれ
           やっぱりね・・・っと不二は笑った。


           「ねぇねぇ〜・・・エビフライ食べないの?」


           可愛く外側に跳ねた髪を揺らし、不二の顔を覗き込む菊丸。
           不二は苦笑い浮かべ “欲しいの?” っと尋ねた。


           「えっ!・・・くれんの?」


           パッっと笑顔で言う菊丸に、不二はクスッっと微笑んで
           わざと小首を傾げてみた。


           「・・・どうしようかな・・・。」


           その途端菊丸の顔がフニャっと泣きべそ顔になる


           「え〜っ・・・2つあるんだよぉ・・・。1個頂戴よぅ〜」


           箸の先を銜えて上目使いでおねだりされちゃうとね・・・
              (そんな顔されちゃ、イヤダなんて言えないね・・・)


           別にエビフライが惜しいわけではないけれど、そんな顔して強請られちゃ
           ちょっと意地悪したくなるのが人ってもの・・・


           「僕もこれ食べるの楽しみにしてたんだよね・・・」


           ふみぃ〜っと聞こえてきそうな拗ね顔で菊丸が項垂れる。


           「でも・・・英二が僕のお願い聞いてくれたら・・・あげてもいいかな・・・。2つとも。」


           その言葉にらんらんと目を輝かせる菊丸。


           「お願い?・・・何々?」


           不二は微笑んだまま口を開いた。


           「ここで、キスさせて欲しいな。」


           ニッコリ笑顔で言われたその言葉に、菊丸はお安い御用っとばかりに頷いた。
           だって今日は屋上に居るのは2人だけ・・・見てる人は居ないから・・・


           「いいよvv」


           返事と共に箸を伸ばした菊丸を見ながら微笑む不二。


           「じゃ、お弁当食べ終わったら、キスさせてね。」


           頷く菊丸に満足そうに不二は微笑み、残りの弁当に箸を進めた。



                         *




          「はぁ〜・・・お腹一杯だにゃ〜・・・」


          食べ終わった弁当箱も片付けずに、菊丸は屋上に横になる。
          其れを片付けながら、微笑む不二。


          「英二、僕との約束・・・覚えてる?」


          キュっと弁当箱を布に包み不二は横になった菊丸の隣に体を寄せた。
          自分の横に、横たわってきた不二をみつつ、菊丸は答える。


          「モチ!・・・ちゅ〜でしょv」


          その言葉に不二は嬉しそうに微笑んで
          菊丸の唇に自分の唇を重ねた。


          「・・・んっ・・・・・」


          温かく触れ合う唇
          うっとりとするように菊丸は瞳を閉じた。


          下の校庭からは、生徒達のはしゃぐ声が小さく聞こえる。
          温かい日差しは、燦々と2人に降り注いでいた。


          「・・はっ・・ぁ・・・」


          絡まる舌と、髪を撫でられる心地よさに
          薄っすらと離れた唇から、菊丸の甘い声が洩れた。


          不二は離した唇を、菊丸の喉元にユルリと這わせた。


          「・・・!んぁ・・・」


          予想外のあまやかな感触に、思わず菊丸の喉から声が洩れる。
          それに気を良くした不二は容赦なく、その唇から赤く蠢く舌を覗かせた。


          「・・んんっ・・・。不二ぃ〜・・・約束と違うよぅ・・・」


          拒否する声すら、誘っているようで・・・
          不二は菊丸のワイシャツに手を掛ける。


          外されていくボタン・・・


          「・・やぁ!・・・ちょ、ちょっと不二ぃ〜・・・・」


          外されたボタンの間から見える、ツンと尖った飾りをペロリと一嘗めし
          フフッっと笑って、不二は顔を上げた。


          「なんで?・・・ここは喜んでそうだけどな・・・」


          指先でピンッと弾かれて、菊丸の手が不二の肩を一瞬強く握った。


          「そういう問題じゃないよ・・・。キスだけって言ったじゃん・・・」


          紅く蒸気した頬が、不二を誘う。
          そんな頬を撫でながら、不二は言った。


          「言ったね、キスだけって・・・。でも、・・・何所に・・・っとは言ってないよ。」


          満面の笑顔で言う不二  ・・・其れをみて固まった菊丸。


          再び胸の突起に舌が触れる。
          キス・・・っと言ったからには、手で触れるわけにはいかない。


          「約束だから、守ってね。」


          言われた言葉にふに落ちない表情をしつつ、菊丸は抵抗をやめた。
          こんな時の不二には、何を言っても叶わない事を、菊丸は良く知っている。


          「んぁ・・・ぁっ・・・」


          小さく途切れ途切れに聞こえてくる声・・・

          不二は更に下に顔をもって行き、菊丸のズボンのベルトに手を掛けた。


          「・・・!うわっ・・・!!ちょ、ちょっとたんま・・・。それはまずいっしょ。」


          不二の手を押さえに入った菊丸の手を退かしながら
          それでも不二は微笑む。


          「なんで不味いの?・・・約束だよ。僕が好きなところに、好きなだけキスさせてもらうから。」
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