ギアス短編小説

□【夕暮れの屋上】★R15
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少し涼しくなった風が2人の間を通り抜けるように吹いた。
互いの髪が風に浚われ、思わずルルーシュは髪を押さえて瞳を伏せる。

(…ぁ…その顔…)

スザクは一瞬見たルルーシュのその表情に、キュン…と胸を捕まれる感覚に囚われた。

かつて恋人だった相手…

乱れた黒い髪を指先で抑えながら、自分の下で喘ぎ悶え、切な気に瞳を閉じていた…そんな光景がスザクの脳裏を過ぎる。

普段横柄な態度のルルーシュが唯一従順になる瞬間。

濡れた指先でルルーシュの自身を包み込むと、堪らないようにルルーシュは小さく腰を揺らし強請る様に足を開いた。

「ねぇ、どうして欲しいか…言ってくれなきゃ分からないよ。」

やさしく諭すように言えばルルーシュは切なく潤んだ瞳をスザクにむけ、小さく言葉を落とす。

「もぅ限界…」

ぷつりと立ち上がった胸の突起に舌を這わせ、蜜の滴るルルーシュの自身をさらに扱けば、ルルーシュはその言葉を口にするしかない…

“いれて…”

スザクはその言葉が堪らなく好きだった。
自ら足を開き、自分を欲してくれる相手。

熱いルルーシュの中を貫けばもっと…もっと…と強請るように自分にしがみ付き、キスを強請り…。

汗ばんだ肌は吸い付くように互いを求め合い…肌をまとう雫は…どちらものかも分からなくなる。







「スザク…?」

何度か呼ばれていたようで、ルルーシュは一向に自分の呼びかけに反応しないスザクを不思議そうに眺めながら、小さく首を捻っていた。

ここは学園の屋上。
過去の幻想に囚われていたスザクはハッと気づいたように数回瞬きをして僅かに頬を染めため息を吐いた。

「…ごめん。…なんだか昔のことを思い出してた。」

苦笑いを浮かべ、少し照れたように自分のほほを指先でかくスザク。

そんなスザクを見て、ルルーシュは笑った。
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