MAIN
□たまには正直に
1ページ/4ページ
依頼主から報酬を受け取り、酒を飲みに行ったところまでは良かった。 何時もは度数の低い酒しか呑まないこいつが、何故自分と同じ物を頼んだのか、分からない
正体を無くしたアキラを抱え、塒(ねぐら)へ戻ろうとしている途中だ。
自分も多少酔っているもの、アキラ程では無かった。
さっき迄大声で歌いながら暴れていた相方はというと、
何故か、酒で潤んだ碧眼で蕩ける様な微笑を浮かべながら、ひたすら自分を見つめ続けている。
その視線に気付きながらも塒へと続く道を歩く。
が、時たまに服を引っ張られ、その表情を見てしまうと、今すぐにでも路地裏に連れ込みたい激しい衝動に襲われる。
蛇の生殺し状態のシキは、精神的にも限界が来ていた。
拷問の様な長い時間が終わる。
やっと塒に着く事が出来た。
尚も無言で自分を見つめ続けている。