1短編

□かごの中の
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俺の最愛の恋人***は明日から天竜人の妻になる。天竜人に護衛中、気に入られ、求婚されてしまったのだ。求婚と言っても強引なもので天竜人に逆らえない俺達海軍はその申し出を断る事ができなかった。


護衛と言う任務が終わり俺と***は同じ家に帰る。帰ってからしばらく俺は怒りや悲しみ、やるせない気持ちが心を支配していた。どうすれば***を天竜人なんかに渡さなくてすむのか そんなことばかり考える。 それなのに当の彼女はけろっとしていてニコニコといつものように話かけてくるんだ。


「ねぇクザン?今日の晩はなに食べる?」


昨日は魚だったから今日は肉にしようか!?などと能天気に聞いてくる彼女に俺は苛立った。


『***…わかってんの?明日からは天竜人の妻だぞ、それがどんなことか「分かってるわよ!!」…***…』

そう言って彼女から笑顔が消える。笑顔の代わりに瞳からはポロポロと大きな涙が溢れている。


『っっ!泣くな…』


「泣かずになんていれないよ…だって明日からはクザンに会えないんだよ!!あんな人間のグズなんかの妻なんかになりたくないっ!!」


クザンの隣でずっと笑ってたい…っ!!


平静を装っていたようだけど彼女も悩んで考えてたんだ。俺もずっとお前と笑っていたいよ。



『じゃあ…』


二人で遠くへ逃げますか


そう言うと***は少し驚いてそれでいてとても嬉しそうに首を縦に勢いよくふるのだ。


ーかごの中の鳥になんてさせないー



(これで私達も賞金首決定ねっ)

((まったく…能天気だよな))
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