スローライフをご一緒に
□6:甘えん坊な彼
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ぐらり と揺れた視界から閉じた目を開けば正面には天井で、横を見れば胸板があった。眠いと言ってあくびをした彼は私の腰に腕を巻き、足を足にのせてくる。
「ちょっと平介ぇ〜、きついよ〜っ」
力緩めて と胸板を叩きながら言えば『え〜』なんて心底嫌そうな声色でいい緩めてくれる気がしない。
『***はあったかいんだよなー、柔らかいし、匂い甘いし、俺のもんにしたい』
ぎゅうと力を込められて、私はまた苦しくなる。甘えん坊にも程がある。独占欲の強い子供みたい。平介は私の肩口に顔をうめる。息がかかってくすぐったい。
「あははっ平介こそばいよーっ」
『んー』
片手だけ力が緩まって、腰から離れたと思えば頭を撫でてくる。彼の手付きは優しくて次第に眠気を帯びてくる。
「…平介、眠い…」
目を開けているのもやっとなほどの眠気に耐える。さっきまであんなに寝てたのに…。…そして眠いと彼に言えば、彼は おやすみ と優しく微笑んだ。
ー目をさませばきっとそこはー
(もとの世界に戻れてるよね?)