スローライフをご一緒に
□10:君とすごす朝
1ページ/1ページ
学年を聞かれたので二年と答えれば、一緒だね なんてふわりと笑う彼女。口元につけたイチゴジャムを親指で拭って自分の口に含めば彼女は真っ赤になった。
「な、に、っ!?」
『ジャム、ついてたよ。んーもうちょっと煮ればよかったなー』
一昨日作ったイチゴジャム。親戚のおばさんが子守りのお礼にと大量のイチゴをくれたのだ。形も小ぶりだったのでジャムをつくってみたけれど、時間がなく余り煮込めなかった。
「えっ!?これ平介が作ったの!?」
一人頭で考えていれば***は驚いた面持ちで聞いてきたので、そうだよ と言えば、きらきら輝く彼女の瞳。
「すごいっ!すっごい美味しいっ!私、お菓子作りとか苦手で…羨ましいっ」
いつも何かしら作るけど、毎度それを食べる友人は何も感想を言わない。だからか、直接、面と向かって言われた誉め言葉に俺は照れてしまうのだった。
『***も、甘いもん好きなの?』
「大好きっ!」
あらまぁ、いい笑顔だこと。きらきら輝く可愛い笑顔。朝からこんなものが見れるだなんて、俺幸せもの?
『じゃあ帰ったら、なんかつくってあげる。イチゴまだ余ってるし』
へらり 言えば、彼女の笑顔がよりいっそう輝いた。
ー可愛い君にお菓子をー
(リビングでいちゃつかないでちょうだい、遅刻しちゃうわよ)
(あっよりさん!?いちゃついてないですよ!?)
((へいへ〜い、ぼちぼち行きますかね〜))