スローライフをご一緒に
□12:お散歩日和です
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佐藤くんと別れて私達はもと来た道を歩いて行く。平介はのそのそと腰を曲げて私を引っ張りながら歩く。猫背だ。
「平介、学校いいの?」
『いいのいいの、サボるなんて常だからなァ』
へらり と笑う彼に少し呆れて笑い返す。帰り道、学生達は少なくちらほら見かける平介と同じ制服の人達は遅刻しそうなのか慌てて走っている。
「帰ったら、シフォンケーキ食べたいなぁ。イチゴたっぷりの、」
ふわりと隣にいる彼に言えば『んー』となんとも間の抜けた返事。それでも優しさを感じて繋いでいる手に少し力を込めれば彼もそれに応じるように握ってくれた。
家につけばよりさんが居なくて買い物かな、なんて平介に問えばカルチャースクールに行ってるとかえってきた。
案の定リビングの机の上には私宛に書かれた置き手紙があって、よりさんからだった。カルチャースクールに行くから家を開けます。夕方頃に買い物をすませて帰ってくるわ。お留守番よろしくね。 と横に書かれていた。なるほど。
『さてーと、作りますか』
よりさんからの手紙をポケットにしまって、平介の言葉に応じる。あれ?平介エプロン着てる…似合うなぁ…。
『***も一緒にする?』
彼の言葉に元気に返事を返し、二人でお菓子作りをすることにした。
ーれっつクッキングー
(うわぁ〜、指きったぁ〜っ)
((あらららら、ほら、絆創膏。ん〜、***さんは座っててくださいな。イチゴ俺が切るから))