スローライフをご一緒に
□13:真っ赤な夕焼け
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シフォンケーキが冷めて、さぁ食べようと思った時、玄関の扉が開く音がした。よりさんだ と思ってぱたぱた玄関へ向かえば、そこにいる小さな存在。
「…だれ?侵入者…?」
頬を赤く染めた小さな男の子。その子の目線に腰をかがめてじっとみていれば、男の子の後ろから、よりさんが帰ってきた。
「あらら、見つめあってなにしてんの?」
「あ、お帰りなさいっ!このこ誰ですか?平介の弟…?」
素直に聞けば、よりさんは軽く笑って違うわよ と。それなら侵入者? と真剣に考えていれば後ろから聞こえる平介の声。
『そのこ、あっくんだよ。親戚の子でね、親が迎えに来てくれるまで、ちょっとくま預かってんの』
なるほど、と頭で理解して。また目の前の小さな男の子に視線をやる。
「よろしくね、あっくんっ!私は***だよ」
へらり 笑って言えば、無表情だった男の子は少し頬を赤く染めて小さな声でよろしく と返してくれた。
ーあっくんの手を引いてー
(あっくん!ケーキ食べよ?平介と作ったんだよ〜っ)
(あら、***ちゃん料理できるの?)
((お母様、九割は俺が作りました))