あなたと私の10日間
□22:こころは
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残された時間を胸に刻む。あと五日。カカシに負担をかける時間が短くなって嬉しい反面、やはり悲しかった。
目の前で眠る彼の髪をそっと撫でる。彼にはどう言おうか。三日短くなった と簡単に説明してしまおう。
『ん…、おはよ』
「おはようございます、」
彼はまだ眠いようで、私にすりよってくる。本当に甘えん坊だ。カッコいいのに、可愛いなんてずるい。
「カカシ?今日は仕事ないの?」
『今日から明明後日まで休み、その後は仕事かな?』
彼の言葉に"そっか"と小さく頷く。言わなきゃ、言わなきゃ…。そう思って私は口を開こうとすれば彼に遮られた。
『あと八日しかないからね、休みできるだけ貰ってきた。』
へらりと笑った彼に、期間が早まったなんて言えるはずなくて私はただただ考え込むだけだった。そうしていれば心配したのかカカシの手が頬に伸びてきた。
『なんか、あったのか?体調悪い?』
「ううん、大丈夫です。」
心配させまいと首を横にふり笑う。カカシは鋭い。だから、心配させるような行動は極力とりたくない。
ー…一人心に誓った…ー
(残り時間のことは黙っていよう)