輝く太陽と君達に
□5:ど…どんかん?
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宴の途中で抜けた私とトラファルガー様が行き着いた先は広くて本が多い誰かの部屋。"好きに寛げ"と言うのだからきっとトラファルガー様の自室なのだろう。
『あ、の…トラファルガー様?何か怒っておられますか?』
彼を纏う空気が静かに怒りをたたえているようで、そう問えば手を握られる。その行動に目を瞬かせていると、彼は言った。
「ローだ。もう俺はお前の客じゃない。」
『え、っと…、わかりました』
"ロー?"と彼が望む呼び方をすると"なぜ疑問系なんだ"と眉間に皺をよせる。
『あの…ローはどうして名前を呼ばせるのでしょうか?』
「うるさい。キャプテンの言うことは絶対だ。従え」
"私、まだこの船に乗るなんて言ってませんよ"なんて言えば彼の眉間の皺が大変なことになるだろうから、言わないことにした。
「なぜお前はいつもフードをかぶっている?」
それと言わんばかりに指差したのは私の白いコート。そういえば、フードをかぶり忘れていた、といそいそかぶる。
『これ、頂き物なのですが…外へ出る際は必ずかぶりなさいって言われまして』
"守らないとうるさくって"と笑いながら言えば何故か彼の不機嫌度がます。
「誰にもらった」
『えっと…クザン様にいただきました』
「青雉!?」
『よく仕事の依頼を受けてまして、お食事とかお出掛けとか誘っていただいてるんです。その際にお土産でいただきました』
"仲良しなんですよ"とへらりと笑えば彼は驚き続いて大きな溜め息をはいた。
ー情緒不安定?ー
((どうかしましたか?ロー?))
(はぁ、いい、気にするな)