輝く太陽と君達に

□12:ゆらゆら飛んだ
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お土産片手に懐かしの船を目指す。先程ふと気づいた電伝虫。それの所有主はすぐにわかった。鳴り響いた電伝虫の声に受話器をとるとさっき別れたはずのローの声。


『ロー?!』


「勝手に船から抜けやがって、覚えていろよ?この電伝虫は俺に繋がるようにしている。一日一度は必ずかけてこい」


不機嫌にそう言ってぶつりと切れた電話。受話器をじっと見つめ小さく息をはく。


『ねぇ鷲君?彼、自分勝手だと思いませんか?』


溜め息混じりに言えば鷲君も共感しているのかクルルと鳴いた。雄大に翼をはためかせる鷲君の背中で、じっと空を眺める。


風を切るように進む。空気も日差しも暖かくて、ついうとうとしてしまう。クルルと鳴いた鷲君の声に我にかえる。


『あ!モビーだっ!ついたんだねっ』


「クルルルっ」


下を見れば白髭海賊団の船であるモビーディック号が広い海を進んでいた。甲板にちらほら居るクルー達。金髪の不思議な髪型を見つけ、ついつい笑ってしまう。


鷲君に"行こ?"とふわりと笑えば、またクルルと鳴く。ゆっくり静かにマルコ様の所へ降下する。


『こんにちはっマルコ様っ!』


"お届けものです!"と驚かすように言えば、彼は肩をびくりと揺らして此方に振り向く。


「***っ!」


鷲君から身をおろして、彼の元へ飛び降りる。目を見開いて駆け寄ってきた彼。


「お久しぶりです!元気にしてましたか?」

『ああ、元気だ。そっちこそ変わりはないか?中々顔見せねぇもんだから親父はご立腹だよい』


からからと笑うマルコ様は何だかとても楽しそう。そう言えば荷物があったんだと、思いだし、袋をあさる。手にかかえる程の包みをマルコ様に渡せば、彼は礼を言って伝票にサインをした。


『よし、お仕事終わりっ。エドワード様に挨拶してきてよろしいですか?』


すると彼は行ってこいと言わんばかりに手をヒラヒラとふった。


ー久しぶりの再開ですー

(鷲も連れていってやれよい)

((勿論です!行こう鷲君っ))

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