1短編

□隣の君に
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お前の周りはいつも賑わっている。老若男女問わずに誰からでも好かれるお前には、1人の寂しさなんてわからないだろ?



「クザンさん?どうかしましたか?」


『んーん、なんでもない』



そう、愛想悪く返事を返す。あ、しまった。これは八つ当たりなのかもしれない。***に当たっても何も変わらない。人が集まるのはこいつがいいやつだからだ。

俺は誰からも愛されない。



ーそんな事ないですよー


目を見開き声の主を見やる。何故考えてる事がわかったんだ、とでも言うように。すると彼女はクスクスと笑った。


「声に出てましたよ」


『あららら、まじかよ』


はずかしいな、と苦笑い。そんな俺をじっと見ていた***は俺の腰周りに華奢な腕を回してきた。



「私は大好きですよ」



そう言って微笑む彼女に俺は額にひとつ口づけをおとす。


ー君が隣で笑っていたいー


(ふふっ)

((なにわらってんのよ))
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