1短編
□今物語
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俺の能力は自ずと周りの温度さえも下げてしまう。能力のせいで冬の季節には誰にも好かれず、嫌な目で見られてしまう。俺はそんな自分の能力が嫌いだった。
現在海賊討伐の為、雪国まで出張任務中。
「寒いーっ」
もうっ!!と、寒さに嫌気を感じ叫ぶ彼女は俺の部下である***。俺の隣で愚痴を言っている。まったく…
『そんなに寒いなら部屋でいたらいいでしょうが、今回の任務は俺だけでも余裕だし』
そう何回も言っているのに彼女は部屋に戻ろうとはせず、任務についてくる。俺は氷だから隣でいたら余計寒くなるのに。よくわからない女だ。
「部屋で1人はつまらないですもん!」
『なるほど、でも俺の隣は寒いよ?』
「え?」
そうですか? と首をかしげる***。
「私はクザンさんの隣でいると暖かい気がするんですよね」
不思議ですよね、
と、そうにこりと彼女が何気無く続けた言葉に俺は何故だか目の奥が熱くなるのだ。
ーありがとうを君にー
(えっ!?クザンさん!?なに抱きついて来てるんですか!?)
((こうすれば暖かいでしょ))