短編

□真ん丸おめめ
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『イルミー?どこー?』


こつこつと靴を鳴らして彼を探しながら廊下を歩く。


「なに?もう仕事の時間?」


急に姿を現した彼は私をこの屋敷に連れてきてくれたイルミ。連れてきてくれた、と言うか半ば強制的に連れてこられた。


『うん。私、ちょっと仕事に行ってくるね?』


「わかった。早く片付けてきてよ?今日はデート行くんだから」


彼の言葉にふわりと笑って頷き仕事へ行こうとすれば何故かついてくるイルミ。


『え、と?…どうしたの?』


「やっぱり俺も行く」


その方がすぐ終わるでしょ


と相変わらずのポーカーフェイスで言うものだからまた可笑しくて笑った。


「なに?」


『ふふっイルミは寂しがりやだよね』


うるさい と顔をそむける彼がいとおしい。出逢った当初は大嫌いだったのに一緒に過ごすうちに大好きになっていた。


『私、イルミに拐われてよかった』


"大好き" 彼の真ん丸な目をみて思いのままに言葉を連ねれば不意にキスを落とされる。


「俺は、出逢った時から好きだったけどね。誰かさんが鈍感すぎて大変だったよ」


真っ赤になる私を見つめる彼の目はどこか優しげで、そんな彼に私はふわりと微笑むのだった。


ー死に際に出逢ったのはー


((今日の仕事は、すぐ終わりそう!なんかね、ヒソカも手伝いにきてくれるみたい!))

(…はぁ、溜め息しかでないよ)
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