ふわふわ
□ラブレター
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私の大好きな彼はいつもマイペース。幼稚園からの幼なじみで仲がよく、お互いの家に行き来しては遊んでいた。小さい頃から大好きだった気持ちを彼に告げた高校一年の春。彼は頷いてくれて、はれて恋人になった。そして一年が過ぎた。
「平介ー?帰ろー?」
放課後平介の教室に行けば彼が見あたらず、私に気づいた佐藤が"平介なら屋上だよ"と教えてくれた。
屋上まで階段をのぼれば、突き抜ける夕焼け空に、それを寝転がり見上げる彼の姿。近づいて隣に腰を下ろせば彼はすやすやと眠っていた。
「平介〜学校おわったよ?それに起きなきゃ風邪ひくよ〜?」
眠る彼の頭を軽く叩き、起こしてあげれば細い目が開いてこちらを見る。けだるそうに身体を起こした彼に、おはよう なんておどけて言えば短い返事が帰ってきた。
『***、おはよ。あーよく寝たわー』
「平介は寝すぎ、いつも授業さぼって〜留年してもしらないよ?」
そう言えば、"それは困る" と返ってきた驚く。"なんとかなるでしょ"なんて緩い答えが返ってくると思ったのに。どうして困るの? と聞けばふわりとだきよせられて抱き締められた。そして"きまってんじゃないの"と。
ー『お前とずっと一緒にいたいから』ー
その答えを聞いて私は顔を赤らめつつも、抱きしめてくる彼にふわりと笑いかけるのだった。