王子と人魚と桜草

□照れ屋なんです
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「ハリーっ!」


朝、眠たい目をこすって学校への道を歩いていれば、後ろから聞こえた***の声。


『…っ!?』


後ろに振り返れば、いつもと違う彼女がいて、おれは息を飲んだ。いつもはさらさらの髪が今はふわふわと緩く巻かれている。

「巻いてみたんだぁ、」


似合うかな と小首をかじげ照れながら聞いてくる彼女に俺は顔を真っ赤にする。やべぇって…っ!


『い…いいんじゃねぇの?』


照れ隠しに前を向いてそう言うと、***は笑った。よかった とふわり笑う彼女。


そんな***を見て、俺はまた顔を真っ赤にさせるのだった。


「あっ!瑛くんだ、おはよー」


『、おはよう…あっ!***かっ!一瞬だれか分かんなかったから愛想作っちまったじゃんか』


前を歩いていたのは、佐伯。こいつはぜってぇ***に気がある、確実に。バイトも一緒で、よく一緒に帰ってるらしいし。この前なんて、遊園地に誘ってたしな。

じとり、佐伯を見ていると目があった。すると佐伯は鼻で笑って***にチョップする。


「いたっ、なに!?」


『いーや、なんでも。ぷっ!さっきの顔間抜けだなっ』


あーあーあー、俺の前でじゃれあうのは辞めて貰いたいものだ。イライラ、ムカムカ、ストレスがたまりにたまる。


『***、行くぞッ』


腹がたったから***の手を引いて走る。後ろから佐伯がなんか言ってたけど、聴こえぬふりで、俺達は走るのだった。


ーとられて、たまるかよー


(え!?ハリー!?どうしたの!?)
((うっせぇ、走るぞッ))
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