君に出逢った瞬間に

□2:私は、だれ
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彼の居住地らしき所について、まずお風呂に入らされた。服とタオルを渡された私はシャワーを浴びた。傷口が痛くて堪らなかったが我慢した。


風呂から出た私は彼に傷の手当てをされて、ご飯もご馳走になった。


「どうして?初めてあったのに、」


なぜ と聞けばまたピエロは笑う。


『教えない◆それより名前は?』


名前は、ときかれてすぐ答えようとすれば出てこない自分の名。あれ? と頭を巡らせるけれども一向に出てこない。


『わからないのかい?』


彼の言葉に縦に頷く。自分の事がわからない。名前も、出身地も、家族も、全部。


「だから、空っぽなのかな?」


『どうゆうことだい?』


頭を巡らせても、出てこない自分の情報。森で目を覚ました時のあの胸の空白感。


「私、なにも分からないんです。自分のことは勿論、家族のことも全部…、だからなんだか寂しいんです」


胸を押さえて言葉を連ねる。分からないことは寂しいし、悲しい。


『へぇ◆記憶喪失ってやつだね。あ、僕はヒソカ、奇術師さ』


「ヒソカ…ヒソカ、」


胸に、頭に刻み込む。何も知らない私に。忘れないようにと。


『そうだ、じゃあ君は僕のペットね◆名前は***にしよう』


分かった? と言われて、コクり縦に首をふると彼はにっこり笑って私の頭を撫でた。


ー私は空っぽのペットー


(ヒソカさんは、主人)

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