君に出逢った瞬間に
□7:昔の記憶
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さよなら したけどヒソカさんはそれを許さなかった。一人で家から出ることは禁止されて、家のなかでー日中過ごす。
そんな合間にもあの人は私を頭の中で呼び続ける。早く会いに行かなきゃ、あの人は待ってるのに、そう考えていたら食事も手につかなくて、体力は日に日に落ちていった。
微熱が続いて、ふらふらする。咳も止まらなくて体が重い。
ヒソカさんは心配して私に栄養をつけるようにと、美味しいものを作ってくれるけど余り食べれない。
『すぐに帰ってくる◆静かにねてるんだよ』
ベッドに横になる私の髪をすいて彼は仕事へ向かった。
頭がぼぅっとして眠気が襲ってくる。私はそれに抗うことなく身をゆだねた。
長い長い夢をみた。
私があの人と話している夢。仲良さそうにわらいあっている夢。微笑ましくて胸が暖かくなる。
二人は幸せそうに手を繋いで消えていった。
あれが、私?手を繋いでいた彼は、私の大切な人…?
"会いたい…っ***っっ"
あの人が私を呼んでいる。ヒソカさんは仕事だから、追ってこない。
「ごほっ、ごほ…っ」
重い体を起こせば、やはり辛くて、気分が悪い。それでも家を飛び出してあの木に向かった。
大きな木、走って走ってやっと見えてきた。
「もう、少し…なのに…ごほっ」
目の前が霞んで真っ暗になった。
ーもうすぐ会えるからー
(こんなとこで、へばっちゃだめ)