君に出逢った瞬間に
□8:貴方が、
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目を覚ました。あぁ眠ってたみたい。重く辛い体を起こして周りを見渡す。そこは知らない場所。
「どこ…だろう」
一人ポツリ呟いた。体を起こしているとふらふらする。考えるのは後にして一度眠ってしまおうか、そう考えた時だった。
「***…、無事みたいだね」
がちゃり 空いた扉から、出てきたのは長髪の男性。
「貴方が私を呼んでたの…?」
聞いてみる。すると彼は首をかしげて"呼んではない"と答えた。では、人違いだったのだろうか。
「呼んではないけど、会いたかった…かな?」
私の寝ているベッドに近づいて、そっと髪を撫でられた。会いたかった、と言うことは昔の私を知ってるのかな?
「私のこと、知ってるの?」
「ほんとに記憶なくしちゃったんだー、ヒソカの言ってた通りだね」
私の言葉に目をくりくりさせながら、淡々という彼。ヒソカさんの知り合いの所に来ちゃったんだ。
「記憶なくなるまえの君なら、知ってるよー。なんせ君と僕は仲良しだったからね」
表情を変えずにいう彼は名をイルミと言うらしい。そしてイルミは私の過去を話してくれると言った。
「ずっと、知りたかったの。私ね、頭の中で誰かに呼ばれてるの。会いたいって、早くって…、それって誰の事か分かる…?」
「あぁ、それはきっとヒソカじゃないかなー、君の恋人だったんだしねぇー、」
その言葉を聞いたと同時に現れたのはヒソカさんだった。
ー彼は貴方だったー
(ヒソカさんが恋人?)