君に出逢った瞬間に

□10:僕は想う
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記憶を取り戻そうとする彼女。そんな***に不安感が襲う。仕事へ行くのもままならなくて、僕は仕事を引き受けないことにした。


外へ行こうとする***を見張るため。外は危険なんだ、彼女にとってはとても。


***は記憶を失う前は、ある富豪の愛玩のために飼われていたらしい。そんな彼女は嫌気のさした富豪の元から逃げたそうだ。


行く宛もなく、街をさまよっていた所を保護したのが僕。事情をなかなか話さない彼女を家にすませてあげることにした。


その時はたんなる気まぐれで、退屈しのぎで側においたまでだった。けれども彼女の側が心地よくて、次第に惹かれていった。

そんな彼女はある日僕に富豪の元から逃げてきたんだ と話してくれた。


そして そろそろ帰るね と。

どうして、行きたくもない場所へ帰るんだと言えば、ふわりと笑って家を飛び出した君。


すぐ追ったのにもかかわらず彼女は一瞬にして姿を消した。


***が姿を消して二ヶ月程たった時、彼女の情報を手に入れた。富豪は***の存在を公にはしておらず、自分だけの愛玩道具としてふせていたらしい。


僕は腹がたって***を取り返しにいった。彼女が居たのは地下の暗いくらい檻の中。衰弱しきって、眠る彼女をみて僕は富豪を殺しに向かう。


富豪はどっぷり太った中年の男だった。足を切り、腕を切り裂き、ズタズタにする。

それでも男は笑っており、頭を潰そうとしたとき男が喋った。


"お前だったのか、ヒソカってのは。あいつが言ってたぜ、--私はどうなってもいいからヒソカには手を出さないで--ってなぁ"


これじゃあ、あいつが俺の元に帰ってきた意味ねぇなぁ


そう笑って男は死んだ。



***が、僕を助けるために?自分を犠牲にしてまで、僕を守りたかったのかい?◆



眠る彼女のもとへ行き僕はただただ***の顔を見る。


自分のせいで、こんなにも傷付いた君。僕に出逢わなければ、幸せだったかもしれないのに、


そして考えた僕は君の記憶を消した


ー君に幸あるようにー


(僕のいない世界に)

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