あなたと私の10日間

□1:手違いでした
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深夜コンビニの帰り、陸橋で足を滑らせてしまった。全身に痛みがくるかと思えばこず、固く瞑っていた目を開ける。


「ここ…どこだろう」


辺りを見渡せば真っ白で何もない空間。天国なんて、あるのかな?なんて考えの追いつかない頭が考える。


「うっそ!?ごめんっ間違えちゃった!」

いきなり後ろから聴こえた声にドキリと肩が跳ねる。声の主に視線をやれば、空中にふわふわ浮かぶ男の子。


「だ、だれ?ここはどこですか!?」


そう問えば、小学校低学年位のその男の子は慌てたように言葉を連ねる。背中に生えた黒い翼がなんとも可愛らしい…じゃなくって!男の子の言葉を真面目に聞く。


「僕死神なんだけど、間違えて君を殺しちゃった。…でもっ大丈夫だよ!?ちゃんと生き返らしてあげるから!…でも…」


生き返れる と聞いて安心したのも束の間、だんだんと声のトーンが落ちていく男の子に不安を覚えた。


「…でもね、生き返らすまで色々あって10日間かかるんだ…、あっ!そうだ!10日間もここで過ごすの暇だろうし、別の世界へ飛ばしてあげるっ!」


楽しんできてね なんて飛びっきりの笑顔で言った悪魔くん。10日間ぐらいここで過ごすよ と言おうとすれば何故か地面に穴が開きどんどん下に落ちて行く。


「うそ〜っ悪魔くん助けてよぉおぉーっ!」


浮遊感に頭がくらくらする。私が落ちた穴はもう遠くて、こちらに手を振りながら微笑みかけてくる悪魔くん。


「10日したら迎えにいくから〜っ!」


悪魔くんが、にっこりとそう言ったと同時に私は意識を手放した。


ー悪魔は悪魔だー


(可愛い笑顔なのに、やることが怖いよ)

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