あなたと私の10日間
□3:お話しましょう
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離してくれる感じがしなかったのでバタバタと手足をばたつかせていれば、肘が彼の顎にあたってしまった。
「あっ…と、ごめんなさい…」
あいたたた と顎をさする彼に詫びれは、彼はこちらを向き申し訳無さそうに言葉を連ねた。
『いーや、こちらこそごめーんね?調子に乗りすぎた、とりあえず起きますか』
よっこらしょ と年寄りのようなかけごえで腰をあげる彼に少し笑いが漏れた。
「はははっなんだかお爺さんみたいですよ〜」
そう笑えば彼も笑い、そう?なんて少し眉をさげる。あ、ちょっとへこんでるのかな。
『じゃあ〜まず、名前は?どうやってきたの?』
前者はすんなりと答えれたが、後者の問いは、本当の事を話そうか躊躇う。だって信じてくれない可能性の方が大きいもの。でも目の前にいる彼を見て嘘をつくのはやめ事実を話すことにした。
今までの事を一通り話している途中彼は、真剣に聴いてくれていた。そして話し終った途端彼は私に抱きつくのだった。
『***はここに居ろ、俺がめんどう見てあげるよ』
あたふたしていた私に彼は言った。優しい言葉に少し目の奥が熱くなる。本当は堪らなく怖くて、これからどうすればいいのか分からなかった。10日間も知らない場所で過ごすなんて私には重すぎる。
「あ、りがとう…っ、私これから、どうやって生きようって、困ってたの…っ貴方がいて良かったっ」
嗚咽混じりに感謝を連ねる。彼は困りながらも、頭を撫でてくれた。行き場のない私に居場所をくれる彼。見ず知らずの私に優しくしてくれる彼には感謝でいっぱいだった。
『これから、よろしくネ』
ー貴方と始まる10日間ー
(あ、お名前なんて言うんですか?)
((俺?俺ははたけカカシてーの、))