あなたと私の10日間

□12:雨の日
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ざあぁ と雨が地面を叩く音で目をさます。時計をみれば七時前。いつのまにか眠ってしまったようだ。隣にいる銀髪の彼はまだ眠っているようで起こすのも悪いから、静かにベッドからでる。


顔を洗って、ベッドに腰をおろし彼の顔を見る。まだ起きないのかな なんて待っている私は何なんだろう。眠る彼の髪をさらさらとといて、綺麗だなぁ なんて羨ましく思う。


外を見ればどしゃ降りの雨。強く上から降り注ぐ雨粒は、地面に大きな水溜まりを幾つも作っている。こんな日は家でのんびりするしかない。


「カカシさん…まだ起きないの…?」


小さく声をかけてみたけども、反応もなくただただ寝息をたてている彼。なんだか寂しくなって彼の隣に潜り込む。


あったかい 心の中で呟いて、起きて とまた心の中で呟く。彼の胸にすりより、ぎゅっと目を瞑る。


この世界に私をよく知っているのは目の前の彼だけで、彼が眠る今はとても心細くて仕方がない。


ーだから、早く目をさましてー


(カカシ…、)

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