あなたと私の10日間

□13:涙がほろり
1ページ/1ページ

ぎゅっ、と優しい力で抱き寄せられて、固くつむった瞼をそろりと開く。すると彼はにっこり笑ってて、おはよう と言ってすりよってくる。


「起きてたんですか…?」


私の言葉に うん と短く返した彼。じわりと目の奥が熱くなる。


『え?どーしたの?!』


彼が慌てて聞いてきて、私は目からこぼれ落ちそうな涙を手でこすった。そして彼をみてにっこり笑う。なんでもないです と。


本当は寂しかった って言いたいけれども、そんなの彼にしたら重いだろうし、めんどくさい女だと思われたくない。


『…***?』


心配そうに顔を除きこむ彼。心配かけたくなくて、私は起き上がる。ご飯作りますね なんて笑って台所に歩く。うまく笑えたかな、。


台所について、野菜を切っていく。わがままも言いたくない、困らせたくないから。

なんで困らせたくないんだろ?嫌われたくないんだろう?考えて考えて、行き着いた答えは、私が抱いていい想いではなかった。


ー好 き な ん てー


(忘れなきゃ、)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ