あなたと私の10日間
□13:涙がほろり
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ぎゅっ、と優しい力で抱き寄せられて、固くつむった瞼をそろりと開く。すると彼はにっこり笑ってて、おはよう と言ってすりよってくる。
「起きてたんですか…?」
私の言葉に うん と短く返した彼。じわりと目の奥が熱くなる。
『え?どーしたの?!』
彼が慌てて聞いてきて、私は目からこぼれ落ちそうな涙を手でこすった。そして彼をみてにっこり笑う。なんでもないです と。
本当は寂しかった って言いたいけれども、そんなの彼にしたら重いだろうし、めんどくさい女だと思われたくない。
『…***?』
心配そうに顔を除きこむ彼。心配かけたくなくて、私は起き上がる。ご飯作りますね なんて笑って台所に歩く。うまく笑えたかな、。
台所について、野菜を切っていく。わがままも言いたくない、困らせたくないから。
なんで困らせたくないんだろ?嫌われたくないんだろう?考えて考えて、行き着いた答えは、私が抱いていい想いではなかった。
ー好 き な ん てー
(忘れなきゃ、)