あなたと私の10日間

□15:壁なんて
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敬語は壁を感じる と眉を下げて言った彼に私は慌てふためく。そんなつもりはないと言えば彼は小首を傾げて言葉を連ねた。

『じゃあ、敬語なしネ。あと呼びすて』


決まり とにっこり笑う彼に戸惑いながらも頷く。彼がそれがいいと、喜ぶのなら私はそうする。


「あ…、でもカカシさんに敬語で話すの癖になってるみたいだから、名前だけなら…」


『んー、それでもいーよ。じゃ今から呼び捨てネ』


はい と言えばまた彼は笑う。よく笑う人だなぁなんて思っていれば、火にかけたままの味噌汁が沸騰していた。


すぐさま火をとめてすっかり忘れていた朝ごはんを作る。カカシさ…カカシも何かと手際よく手伝ってくれて、すぐにご飯を食べることができた。


『***はさ、どっか行きたい所ある?』


食卓に並ぶ料理を食べていれば、彼が口を開く。行きたい所 と問われても私はこの世界を知らないからどうとも言えなくて困ってしまう。


「特には…雨ですし、家でのんびりしたいです」


カカシと と彼をみてへらり笑えば、彼は飲んでいた味噌汁を盛大に溢していた。あーらら と少し焦りながら、溢した味噌汁をふくカカシに私は笑いがもれるのだった。


『あんまり、そーゆうこと言っちゃダメだからネ』


そう言って溜め息をつく彼は味噌汁をおかわりしてまた黙々と料理を食していった。


ーほんのり染まる彼の頬ー


(そう言えば、カカシは仕事とかないの?今日もお休み?)


((…休みだーヨ))

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