短編
□真冬の空に
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「うぅ、寒い…っ」
真冬の真夜中、任務終わり。木々が生い茂る森を私は木から木へうつり木の葉へ帰っていた。無事怪我もなく対して強い相手ではなかったが遠くの里まで寝ずに行っていたものだから少し疲労がたまっている。
ピタリ 足を止めて、空を見る。満天の夜空にきらびやかな星。雨が降る気配もないし、このまま木の上で寝ちゃおうかな なんか考える。
『こーら、また馬鹿なこと、考えてんでしょ』
いきなり背後から聞こえた声に一瞬驚きながらも声の主を理解して、ほっと息をつく。
「もう…、カカシ先輩。驚かせないでくださいよ」
『驚かすつもりなんてなかったんだけどネ。俺の気配に気付かない程つかれたの?任務、』
後ろから優しく抱きしめられる。温かい、なんてすりよれば彼は満足そうに笑う。
「すぐ終わらせれたけど、一睡もしてないから少しキツイです」
人の温かさと、彼の優しい声に眠気が襲う。うつらうつら寝そうになる自分を必死に叩き起こす。
『なるほどネ、寝ちゃいな***。俺が里まで送ったげるから』
そんなの悪いです と続けようとしたが、重いまぶたを持ち上げることも、言葉を連ねることもできなかった。ただただ彼の優しさに触れて心地よかった。
ー眠り姫に優しいキスをー
((あーもーこいつは…、俺の家に持って帰ろうかな…、…よし))