短編
□心の中に
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「シカマル!シカマルー?!」
誰かが俺を呼ぶ声がする。母ちゃんか…。めんどくせぇ、なんて自室で一人呟きながらも仕方なく母の元へ足を進める。
「ちょっと!早く来なさいよ!***ちゃんが待ってるでしょ!?」
『はぁっ!?なんで***が俺んちに?』
「知らないわよ、ほら行った行った!」
背中をぐいぐい押してくる母に、ハイハイ なんて気だるい返事をすればキッと睨まれた。あー…こぇ〜。
それよりも***が俺んちに来るなんて、何かあったのだろうか。***とは最近、近所に越してきた同じ歳の女のことだ。
雰囲気は落ち着いていて、ほんわかしており、笑顔が無邪気、しかも美人かつ可愛い。これがアイツの第一印象。同じ忍びであるらしい彼女。今では木ノ葉の人気ものだ。
「あっ!シカマル遅いよ〜、」
待ちくたびれた と笑った彼女に俺は、すまねぇ と返す。ふんわり微笑む***に顔が熱くなるのが分かった。めんどくせぇ…。
『で、なんか用か?』
玄関の前で立ち話も何だから、と街を歩いて話していた。
「ちょっと顔が見たくなってさ、」
シカマルの とへらり笑った君の笑顔に俺はどうしようもなく、深い溜め息が漏れた。
ー無邪気?天然?めんどくせぇ、。ー
(ずっと、好きだったんだよ?)
((…初耳だぞ、おい…、))