スローライフをご一緒に 続

□43:早くなおれ
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物音に気がついて、目を開ける。なぜか昼間より体が楽になっている。寝たから、治ったのかななんて考える。ちらりと視界に入ってきたのは暗くなった夜空。


「食べそこねちゃった…、」


昼間、平介が作ってきてくれるはずだった昼御飯を食べずに寝過ごしたようだ。食べたかった と悲しく思っていれば隣で何かがもぞりと動いた。


「へ、いすけ?!」


驚いて、少し大きな声を出してしまった。その声にびくりと肩が揺れる。起こしてしまったようで、眠たそうな目が私をとらえた。


『ん、元気になった?』


「うん、楽になったよ。でも病人の隣で寝たら移っちゃうよ!?ただでさえこの前熱だしたばっかりなのに…」


眉を下げてそう言えば、平介が私を包み込む。そして"大丈夫"とへらり笑って頭を撫でてきた。


『明日、佐藤と鈴木がお見舞い来るって』

「あははっ、お見舞いばっかり大変だねっ二人はっ!」


笑いがもれる。平介の腕の中でくすくす笑っていると彼と目があった。じっと見つめてくる平介に疑問ばかりいだく私。


「なに?」


堪えかねて、彼に問えば"なんでも"と返ってきた。そして笑ったかと思えば近づいてくる平介の顔。おでこ同士がひっつく。


「な!?なに!?」


顔に熱が集まるのが自分でもよく分かって、居たたまれない。恥ずかしくて顔をそらそうとすれば優しく唇にキスされた。


ー俺だって男ー


((なんだよねー、))

(え!?な、なにが!?)

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