3短編

□元気な君は手におえない
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空は晴天、気温も温かく穏やかな昼下がり。平和な世界に反して私は今絶対絶命のピンチです。


『もうだめ…かも…っ』


仕事をサボって昼寝をしようと大木によじ登ったのは良いものの、おりようとすれば足を滑らせちゅうぶりんな状態。


辛うじて握っていた木の枝もギシギシと嫌な音をたてていて握力ももう限界に近づいている。


こんなことになるならサボったりせず、あのぐうたら上司と仕事してれば良かったなぁ。…なんて考えても後の祭り。


不意に勢いよく吹いた風に手のちからが緩んで体が下へと落ちていく。訪れるはずの痛みに覚悟して固く目を閉じればそれは杞憂に終わったようだ。


『さ、さすがです。クザンさん』


「驚いた。部屋からお前が見えたと思ったら木から落ちてるし…俺、久々に本気で走ったわ」


私が地面に叩きつけられる前に抱き締めて助けてくれたのは上司であるクザンさん。


『あぁー!こわかった!』


「はぁ、まったくお前さんは…」


助かった嬉しさと先ほどの恐怖に笑いが漏れて怖かったと笑えば彼は呆れたように息をつく。


「もう危ないことはやめてくれ。いくら心臓あってももたねぇでしょうが」


そう言う彼は私を抱いたまま仕事部屋へとあるきだすのだった。


ー目をはなせないー


(サボるなら部屋でサボればいいじゃねぇのよ。俺、怒んないんだし)

((あっ!そうでした!))

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