2短編

□広い空で
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『ひとっとび行くかい?』



普段なら危ないと言って背中に乗せて飛んでくれないマルコ隊長がまさか自らお誘いしてくれるなんて願ったり叶ったりだ。



私は嬉しくて元気のいい返事を隊長に返した。するとマルコ隊長は一つ溜め息を吐いて不死鳥の姿に変わっていく。



あぁなんて綺麗なんだろう。青と金がキラキラと目に眩しい。



見とれていると隊長が乗れとでも言わんばかりに首をくいっとしてきたので、失礼します と遠慮がちに背に跨がり不死鳥の首に腕を回す。



『しっかりつかまってろい』



そう言った途端隊長は両方の羽を大きくなびかせた。ふわりと足が地から離れて浮遊感が訪れる。そして見渡すと一面に青い海が広がっていた。



「すごいっすごいです隊長っ」



とっても綺麗 とはしゃぐ私は子供っぽいのかもしれない。でも大のおとながはしゃぐほど綺麗な景色。不死鳥の首に回された腕に少し力をいれる。



「ずるいです…」



『ん?なんでだよい?』



「だって、こんな綺麗な景色をいつも見れるなんて…」



ずるいです



と続ければ、彼はククッと喉で笑う。




『これから毎日乗せてってやるよい…


***だけは特別だよい』




あぁずるい、やっぱり隊長はずるいです。そんなこと優しい声で言われたら私、勘違いしてしまいますよ。自惚れちゃいます。




ー好きな貴方とみる景色だからこそー




(隊長はずるいです)

((やっぱり鈍感だねぃ))
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