2短編

□赤のお頭様
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私の所属している海賊団のお頭は顔が怖い。付け足すと性格も乱暴だと思います。そんなお頭を好きになった私は変なのでしょうか?



「キッド〜キッド〜っ」



大好きな彼の名を呼びながら近付く、『あぁ?どうした』と短く返された言葉には何処か優しさが含まれていて、私はただただ笑顔になってしまうのだ。



天気がいいからデートしませんか と言えば『しかたねぇな』とお誘いに乗ってくれて、「では、行きましょう」と彼の手をひいて歩き出す。デートと言っても船は海を漂っているため慣れ親しんだ船内を歩くだけのデート。



『お前キラーにも、んなことしてんじゃねぇだろうなぁ?』



「んなことって、どんなことですか?」



そう聞き返せば、これ と言わんばかりに繋いだままの手をあげられる。ああ、なるほど、手のことか、と納得し、私は言葉を連ねる。



『これは、キッドだけ、キッドは特別』



そうふんわり言えば『そうか』と短く返された、だが繋ながれいる彼の手は先程よりほんのり暖かく、力を込めて握ってくるものだから思わず頬が緩むのだった。



ー私の気持ち届きましたか?ー



((***、俺もお前が好…))




(あっ!キラーだっ!キラーっっ今日の晩御飯パスタだってっ一緒に食べようね〜っ((…チッ)))
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