2短編

□小さな蕾
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俺が想いを寄せている女は俺と同じ海賊団の船員で若いせいか他の連中からは妹のように可愛がれていた。若いといっても俺やキッドと変わらない齢だが、ふわりと笑うと幾つか幼く見える。



「キラーさんキラーさんっ!」



俺の名を呼び駆け寄ってくる***。どうした と1つ返しながら近付いてきた***の頭を撫でてやる。すると彼女は少し慌てながらも、ふわりと笑うのだ。



「今日の晩御飯、キラーさんの好きなパスタですよっ」



楽しみですね と頬を染めながら言う***はとても可愛いく、抱き締めたいとゆう衝動にかられるがまま華奢な身体を自分の胸に包み込んだ。



すると彼女はもちろん驚いて「どうしたんですか」と何度も聞いてくるものだからおかしくてマスクの裏でくつくつと笑ってしまう。



『***は暖かいな』



彼女の肩口に自分の顎を置いて、ぽつりと呟くと「そうですかね?」と彼女から返ってくる。



小さくて柔らかい身体を先程より強い力で抱き締める。二人の間に隙間はなく、俺の心音がやけに速い。俺の気持ち、伝わっただろうか?鈍感な***だからきっと伝わってないだろう。心音ごと伝わればいいのに。



ーはたしてそれはどちらの心音?ー



(キキ、キラーさん!?あのっえっと〜〜っここ食堂ですよっ!?)



((周りのことなんてどうでもいい))
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