その他 中編・短編小説
□唇で、お仕置き
1ページ/2ページ
ギルドの扉の裏に、二つの影が映る。
「なあ、ハッピー」
「なぁに?ナツ」
「なんかアイツ、来るの遅くねーか?」
「そう?」
扉の裏にいるのは、ナツと青い猫のハッピーだ。
なぜこんな事をしているのか。
それは彼らの思い付いた、可愛い悪戯を実行しているからだった。
その悪戯とは、チームの仲間であるルーシィがギルドに来た所を狙って驚かせようと言う、ベタな物。ルーシィがそんな悪戯に引っかかるとは思えないが、時たま天然が発動する事もあるからなんとも言えない。
「なーにやってんだ、ナツさんよォ」
「うるせー。黙ってあっち行きやがれ変態」
「誰が変態だ!このやろう」
「ルーシィにバレたらどうすんだよ!」
上半身裸の青年…グレイに突っかかられて喧嘩を始める二人。傍らでは、そんな二人を止めようと宥めるハッピーの姿があったが、全く気にしていないようだ。
そしてガタンと音を立てていた事に気が付かず。
喧嘩をしている二人は、側を通った金髪にも気が付いていなかった。
「あら、あたしに何がバレるのかしら?」
突如聞こえた耳なじみのある声に、喧嘩を止める。
ハッピーの隣に立っていたのは悪戯の対象である、ルーシィだった。
それに気が付いたナツは次第に青ざめてゆく。