PandoraHearts
□〜Retrace:U〜
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ーーある場所とはーー
「ここだよ、ユーリ」
「うわぁ〜!!綺麗な花畑だ!」
ヴィンセントがユーリを連れて行った場所は辺り一面の花畑だった。
この場所には2人以外、誰もいない。
隠れスポットなのだ。
「すごい!綺麗、綺麗!!ヴィンス、ありがとう!ここ、気に入った!!」
「僕の言った通りでしょう。ユーリが気に入る場所だと思ったんだ。ふぁぁ〜…」
ヴィンセントは欠伸をする。
「ヴィンス、眠いの?」
「いつもと同じさ。気にしないで、ユーリ。」
「膝枕しよっか?」
「クス…ユーリは優しいね。してくれる?」
「うん!」
ユーリが座るとヴィンセントは自分の頭をユーリの膝へと乗せた。
ユーリはヴィンセントの頭を撫でる。
「ヴィンスの髪って、本当にさらさらだよね」
「ユーリの方がさらさらだよ。僕はユーリの全てが好きだから」
「私もヴィンスの事、好きだよ」
『ユーリは恋愛には鈍感だからなぁ〜。まぁ、そこも好きなんだけどね』
ヴィンセントはユーリの髪を少しもって、唇に当てた。
「ヴィンス…?」
「おやすみ、ユーリ。後で起こしてね」
「わかっているよ。おやすみなさい、ヴィンス」
ユーリは優しく何度もヴィンセントの頭を撫でた。
夕方近くまで、花畑は2人だけの幸せな世界だったのです。