PandoraHearts
□〜Retrace:T〜
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ユーリside
-レインズワース家の庭にて-
庭にはシャロン、ユーリ、アスティル、ブレイク、ナイトメアが優雅にティータイムの時間をしていた。
「ねぇ、シャロン。」
「なんですか?ユーリ。」
「今日の夜って、ベザリウス家の次期当主オズ=ベザリウス様の成人の儀のパーティーに行くんだよね?」
「そうですね。それがどうかしましたか?」
「アスティーも行くの?」
「うん…」
ユーリの質問にアスティルは頷く。
「なるほどネェ。ユーリお嬢様は乗り気じゃないと言う事ですカイ?」
ブレイクがそう聞くとユーリは首を振る。
「そうじゃないけど…なんか、嫌な感じがする…かな?」
「ユーリ、あまり深く考えるな。面倒事は嫌いだろ?」
「うん。」
ナイトメアの言葉にユーリは頷く。
「心配ないよ、ユーリ。成人の儀では何も起こらないと思う。」
「アスティルが言うのであれば大丈夫ですヨォ?」
アスティルとブレイクがそう言う。
「行きたくないのですか?ユーリ。」
シャロンが心配していた。ユーリは首を横に振ってから微笑んだ。双子の姉であるシャロンに心配をかけたくないのであった。
「違うよシャロン。私はずっとシャロンの側に居たいんだよ。」
ユーリがそう言うとシャロンは目を輝かせてユーリに抱きついた。
「さすが私の妹ですわ!さぁ、ユーリ!!私を"お姉様"と呼んで下さい!!」
シャロンがそう言うとアスティル、ブレイク、ナイトメアが、
「…シャロンが暴走し始めたよ、ブレイク」
「いつもの事ですヨ、アスティル。ユーリお嬢様はシャロンお嬢様を暴走させたり止めたり出来ますからネ!まぁ、ユーリお嬢様は無意識でやっていると思うけどネェ。」
「ふ〜ん…相変わらずだね、ユーリは。」
「ユーリが変わると思うか?アスティル。」
「思わない…」
三人はユーリとシャロンに聞こえないように小声で二人のことを話していた。
ユーリは少し困惑しながら---
「シャロン…双子なんだかそれはちっと…」
「何を言っているんですか!双子でも私はユーリの姉ですよ!!」
「『シャロンは変わらないなぁ〜。まぁ、いっか。』そうだね、お姉様。」