銀色少女
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赤ちゃんは1日に何時間寝ても飽きない、それはまさに赤ちゃんクロリティだ。
普通の子供は寝返りをうち、首の骨がそれなりに付いた頃。
私は、お座りをしていた。われながら早い成長である。
毎日、だてに暴れてないぜ!!
『うー…』
そんな私は、目の前の椅子を見ながら唸っている。他から見れば異様な光景なのは自分でもよくわかる。
だが、私は挑戦しなければいけない。
そう…私は“立つ”事がしたいのだ。
前まで普通に立てたり走ったり出来ていたんだ。その感覚は頭ではまだ覚えている。
1人で座ることが出来たんだ。
私はこの何ヵ月かで成長している…うん。頑張れよ自分。
立てれば、すぐに歩けるようになる、歩けるようになれば、走れるようになる。
その時までには、言葉も喋れるだろう。
よし、私の計画に狂いはない。
だが、少し気になる事もある…それは2つある。
一つ目は、奈々さんも家光さんも若過ぎるって事ぐらいだ。
まぁ、それは2次元クロリティだと思っておこう。
……言っても私もREBORNの原作を全て知っている訳ではない。
原作の流れを知っているだけのどこにでもいる1人であって、主人公の母親の詳しい年齢なんて知るはずがない。
2つ目は、REBORNの主人公。沢田 綱吉がいないってこと。
最悪の場合は、私が主人公の成り代わりとかも考えたが、頭が痛くなったので、もう考えたくはない。
確か、主人公はマフィアとか危ない物に巻き込まれていく筈だ。
私は、YES,平和、NOT,危険だ。
つまり、お断りだ。
だが、自分の身ぐらい自分で守れるようになりたい…それは沢田家に産まれたらそれなりにしなきゃいけないことでもある。
綱吉の成り代わりだろうが、姉だろうが結局、自分は何かを護れるかどうかだ。
友達とか、好きな人とか、大切な人を護る力なんてはっきりは分からないけど…ね。
姉なら弟の危険を知らんぷりなんて、薄情な事が出来るか?
つか、嫌でも巻き込まれそうな予感がする…ナニコレ、超直感?
『うぐっ……うっ…あぅ』
護るためには一先ず立とう。話はそれからだ。綱吉の事は時間が立てば分かる事だ。
私は目の前の椅子の足を掴みながら小さな腕に力を入れる。筋肉がないから力を入れても起き上がれない…!
次はギュツと椅子を抱き締めながら滑らないように手に力を入れる。
赤ちゃんの手の力は弱い…タオルを握るのが精一杯位の握力でたてるわけがない。
次は、手に力をいれつつ足にも力を入れてみた…
『……、っお…うぅ…!』
あっ、いま少しだけ腰が浮いた気がする…!
すぐに倒れたけど、一瞬だが地面からお尻が離れたのが分かった。
そうだ、私も成長してるんだ。
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