銀色少女

□019
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今は、凄く豪華な車の中。お洒落なグラスでオレンジジュースを飲んでいる。
勿論、作ってくれたのはスクアーロで、ベルは葡萄ジュース。XANXUSは…多分、炭酸のジュースらしき何か(であってほしい)。


この空間に運転手以外は未成年だ。スクアーロだって12か13位だし、ベルなんてまだ小学生ぐらい…XANXUSだって中学生位じゃないだろうか?



「夕映はさ、何であんなに強いの?」



ベルが不意に夕映に問い掛ける。


『強い?私が?』


「う゛ぉおおぉい!!自覚ないのか!?」


『自覚も何も、私は強くないよ。』


「「((自覚ないのか…))」」



2人の反応は、意外だった。
今知りましたみたいな顔して、戦ってる時に何を見たって話だよね。
スクアーロは手を抜いてたし、ベルは発展途上だし。
ベルなんて大きくなれば成る程私には足元にも及ばないだろう。



『それより、弟が気になる…大丈夫かなツナ…』



「弟?あぁ、1人で泣きながら逃げたガキ?」



『ベルがガキって言うな。ツナは逃げたんじゃない。私が逃がしたんだ。』



「同じじゃん」



『同じじゃない』



ベルはさっきからシシシッと笑いながら話し掛けてくる。



「家光に誘拐したことがばれてたって事は運転手が連絡したってことだろ。」



『まぁ、そうなんだけど…今頃泣いてないかなぁと思って。』



家光さんは奈々さんにどうやって説明してるのだろうか…誘拐されたなんて言ったら奈々さん倒れそうだしな…



「う゛ぉおおぉい!!着いたぞ!!」


黒い車から降りれば、城(のような屋敷)があった。



『……世界遺産?』



見えるのは世界遺産に認定されてそうな建物。
イタリアならではの優雅で綺麗な外装は流石ボンゴレとしかいいようがない。



「……カスはここで待機だ」



「う゛ぉおおぉい!何だ!」



「知るか、重要な話しらしい。城の作業員も庭に出る程の…な。」



庭にたっている作業員の方々、あっ、メイドさんがいる。コックにスーツのおじさんがいっぱい。



「行くぞ…」



『えっ?あぁ…』



屋敷に入ればシーンと静まり返った中、人なんて居るのかと思うほどだ。
XANXUSは長い階段をズカズカと進んでいき、あるデカい壁を蹴破った。



―バンッ…



「おい、連れてきてやった。」



「あぁ、待っていたよ。XANXUS……それに……夕映さん」



そこには優しそうな老人が立っていた。何もかも包み込むような大空のオーラを纏ながら、優しく頬笑んでいた。



「君には大事な話があってね。少し強引だが話をさせてもらう事にした。」



『あ、はい。(この人、確かボンゴレの9代目の人じゃなかったけ?)』



記憶は何故かメインキャラと会うごとに鮮明に思い出せるような気がする…気のせいだといいけど……。



『沢田家光のむすめの沢田夕映です。』



「これは、ご丁寧に…私はチィモッテオと言うものです。」



『チィモッテオさんはわたしに何か?』



「……君には話さなくてはいけないことが2つだけあってね…1つ目はこの指輪をはめてみてほしい…」



9代目の手から自ら輝くリングが握られていた。
この指輪……どっかで見たような…と、記憶を探る。
ゴツイ指輪は一件ボンゴレリングみたいだが、他のより鮮やかな色で、何だか妙な威圧感を感じる。


『はめればいいの?』



「あぁ、確かめてみたいんだ。真実を。」



不思議なリングを渡されて手に取ってみる。何だか温かく、懐かしい感じが勝手に体が感じて流れ込んでくる。



まだぶかぶかのリングは私の指には似合わないが、光は屋敷をから溢れだすほどデカくなっていた。だが、さっきまでの光ではなく



…虹色に輝いた光に包まれた。



『…ん?………えっ!?』



包まれた体は、いつの間にか元の大きさに戻っていた。
多分19歳で、髪がロング。紛れもない前世の自分。


『…っ!?…XANXUSくん!』


微かに見えたXANXUSの顔を見れば、XANXUSは驚いたように目を開いた。
顔には「誰だお前」と書いてあり。その顔も一瞬で光のなかだ。


中学生XANXUSをくん付けしてしまった。



時間が経てば、光がおさった、私の姿も元に戻り部屋にいた3人は呆然とした感じだ。



「やはり…伝説は復活したのか…」



『おじいさん…』



「あぁ、すまない。2つ目のお願いはまた今度にしておくよ。君が大きくなったら伝えに行くから…」



『……わかった。』



優しく頬笑んでいた9代目の顔は本当に嬉しそうで、同時に切ないような表情をしていた。
私もつられて同じように頬笑む。


「家光がこっちに向かっているらしいから、少し待っていようか?」



『うん。』



私の手を掴んで歩く9代目。
その後ろを付いていくXANXUSの視線に私は気付く事は無かった。



「……あの女…」



『…っ!?…XANXUSくん!』



「(あのガキに似てた…?)はっ!馬鹿馬鹿しい…」





 

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