俺の後輩が猫になった。
□◇16日目◇ 俺の後輩が俺のあとをつけてきた日。
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神童「それで…どう返事しようかって…」
霧野「付き合えば良いじゃん?」
神童「え……」
霧野「付き合ってみりゃ良いんだよ、まずは」
神童「だ、だって…俺と天馬、サッカー部だし…」
霧野「いや、それ俺らもだから;」
神童「で、でも…先輩後輩だし…」
霧野「それもこっちも同じだし!;」
神童「ポ、ポジションも一緒だし…」
霧野「俺と狩屋もそうだから!;」
神童「…う゛……;」
霧野「ほら。やっぱ断る理由なんてないじゃん」
狩屋「……付き合っちゃダメです」
「「えっ……?」」
狩屋「オレは、その方が良いと思います」
ガタッ。
狩屋は立ち上がり、帰ろうとした。
霧野「え…ちょ、待てよ狩屋!説明しろよ、今の!」
狩屋「説明って…オレは、霧野先輩が思ってること、言っただけですけど?」
霧野「俺が…?……俺はそんなこと思ってない!神童は天馬と付き合った方が良いって思ってる!」
狩屋「本当に…そうですか?」
霧野「え…」
不意をつかれたような気がした。
狩屋は本当のことを言っている……
そんな気がした。
狩屋「……天馬くんと神童先輩が付き合ったら、霧野先輩もわかると思いますけど」
霧野「…どういう意味?」
狩屋「それは自分で、わかった方が良いですよ」
……わけわかんない。
狩屋が何考えてんのか、全くわからない……。
神童「霧野…?」
霧野「あ…ごめん、神童…聞いてた?」
神童「うん…」
霧野「…狩屋が言ったことはさ、気にすんなよ。俺は、付き合った方が良いと思ってるから」
神童「…じゃあ、付き合ってみようかな…」
霧野「あぁ、応援してるぜ」
だけど俺は、自分の気持ちがわかっていなかった。
そのせいで狩屋を苦しめ、また俺自身を苦しめること…
それもわかっていなかった。
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