イナGO短編集
□Hunt You〜好きとは言わない。だけど…先輩が欲しい。〜
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それはある日の部活のこと。
「霧野せんぱーい。先輩って神童先輩のこと好きなんですかぁ?」
「………好き、だけど?」
拍子抜けた。
あっさり認めるとは思ってなかったし、
からかいたかっただけだし。
「それで…なに?」
「え………あ、まぁ…応援してあげようかなって…」
「マジで!?嬉しーなーwwありがとな、狩屋」
ムカつくなーと思いながらも、
ぐしゃぐしゃと頭を撫でられ少し嬉しい自分もいた。
「じゃ、じゃあ…なにすれば良いですか?」
「んー……あ、そうだ。神童と天馬、引き離してきてくれないか?」
「あぁ…わかりました。ついでに霧野先輩と帰るように言っときましょうか?」
「頼む!」
かなり真面目な顔で言われたから、
本当に神童先輩のこと好きなんだなーと思った。
神童先輩を霧野先輩のために狩って、
霧野先輩に渡す。
これがオレの仕事。
それはオレにとって嬉しいのか、良いことなのか。
そんなことわかってたけど、からかってやりたかった。
いつか……オレが霧野先輩を狩ってやる。
それまで楽しませてやるよ、先輩。
ここから、オレの狩りが始まった。